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研究室の概略

About our lab

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Chemistry Class
Image by Cytonn Photography

教員からの挨拶

From Professor

我々の興味

Our interests

研究室配属を検討している学生さんへ

To students who are interested in our lab

卒業生・修了生からのメッセージと進路

The route of alumni after graduation

About lab: ニュース

2022年度研究室紹介

About lab: 動画
Microscope

Message

教員からのメッセージ

現在,大量生産・大量消費・大量廃棄型に代表されるフロー型社会から,すでに蓄積されている資産を有効に活用するストック型社会への転換がよりいっそう求められています.このような問題を解決するためには,あらゆる学問領域を総動員して取り組むことが重要になってきます.

私の研究室ではこのような問題を解決するため,熱力学,材料科学,環境工学に関する知見を活かした自然科学的アプローチに立脚し,産業エコロジーや環境システム工学といったライフサイクル思考を援用しながら,「ハードとソフトの融合」という学際領域の発展に寄与することを目的として,研究を進めています.これらの研究を通じ,あらゆる事に興味を持つだけでなく,それを実行できるような学生を育てるべく教育の現場に臨んでいきたいと考えています.

さて,私は,「人材」こそが資源に乏しい日本が世界をリードしていくための駆動力の一つと考えます.当研究室の教育活動に関わる基本方針として,高い能力を持った人材を社会に輩出するため,高度で洗練された研究を通した教育を行いたいと考えています.教育にとって最も大事なことは,学生の感性を刺激することでモチベーションを高め,個々の持つ潜在能力を最大限開花させることであると思います.そのため,教育者自身が信頼に足る高い人間性を持ち,深く体系的な知識そして豊富な研究経験に裏付けられた洞察力を示すことが必要であり,常にこれらを念頭に置き,教育の現場に臨みたいと考えています.

現在の日本においては学際的研究が強く求められています.ただし,学際的研究の成果発信に傾倒しすぎてしまい,基礎的な知識の教授が疎かになってしまう場合が散見されます.当研究室では,学生に熱力学,固体物理学,材料科学という礎を持ってもらい,社会への還元を目的としながら実験科学と社会科学を融合させた研究を行います.そして,このような研究活動を通じた教育を行うことで,地球環境問題について問題解決能力のある学生を育てたいと考えています.

また,得られた成果の発信も同様に重要と考えており,専門的な知識の獲得だけでなく,論理的な思考能力に基づくプレゼンテーション能力,コミュニケーション能力を学生に養わせることも重視していきたいと思います.

このような研究・教育を効果的に推進するためには,研究連携も重要な要素と考えています.学内における連携は当然ですが,他大学との研究連携,国内の研究機関との研究協力,そして国外の研究機関との研究協力を進めていくことも重要と考えています.これまでもこれらの連携を通した研究会・シンポジウム・国際学会には学生を積極的に参加させており,広い視点から研究を行うことおよび多くの人々とのコミュニケーションの重要性を理解してもらっています.今後もこれらの連携活動を活かした研究・教育活動を進めながら学生に国際的な視野を養ってもらい,さらには私自身も視野も広げていきたいと考えています

経歴

山末 英嗣(やますえ えいじ)

2000年3月 東京工業大学理工学研究科金属工学専攻 博士後期課程修了.博士(工学).京都大学京都大学大学院エネルギー科学研究科寄附講座職員,助手,助教,ウィーン工科大学客員研究員,国立環境研究所客員研究員を経て,2016年より立命館大学理工学部機械工学科准教授,2019年4月より同教授

It is of great importance to convert from mass production and mass consumption society to a recycling-based sustainable society. We believe a transdisciplinary approach could be one of strong tools to contribute to realization of such the society.

My laboratory is grappling with transdisciplinary researches consisting of not only natural sciences such as thermodynamics, materials science, and environmental engineering but also of social sciences such as industrial ecology and environmental system engineering. We try to grow students who enable to see through the hearts of things and to propose comprehensive solution from the viewpoint of education. Detailed research topics can be seen in the tabs of "Research" or "Research Projects".

Excellent human resources could be strong driving force to achieve the status of one of the world's front-runners. In order to produce talented individuals, I would like to educate students through highly sophisticated researches to stimulate their acute sense. For the purpose, I would like to brush up myself to show logical insights based on deep and systematic knowledge and on abundant research experience.

We also think that frequent output of our research achievement is indispensable. Thus, we emphasize educations of presentation ability based of logical thinking and communication ability. Further, research collaboration not only within campus but also with outside domestically and internationally is one of important factors for effective research and education. Thus, we encourage students to actively participate meetings, conferences, and symposiums.

Profile

Eiji YAMASUE, Ph.D.

Eiji Yamasue has been a professor at Ritsumeikan University since 2019. He got a Ph.D. in 2000 from Tokyo Institute of Technology, Japan, in the field of materials science, followed by academic carrier as an assistant professor at Graduate School of Energy Science, Kyoto University, in the field of materials science, environmental engineering, and industrial ecology. He moved to Ritsumeikan University, Japan in 2016 as an associate professor in the similar field to above. He is also a visiting researcher of National Institute for Environmental Studies, Japan, and was a visiting lecturer of Kyoto University in 2016 and 2017, and of Vienna University of Technology in 2009.

E. Yamasue on the internet

About lab: 概要

我々の興味

Our Interests

老若男女に関わらず,全ての人間は資源に依存して生活しています.一般的には高度な社会的生活を行えば行うほど,その依存量は高くなると考えられます.さて,資源という言葉は多くの意味を含んでいますが,我々は主に鉱物資源とエネルギー資源を興味の対象としています.私の考えでは,これらの資源は「重さ」で評価を行うことが可能と考えています.その意味でよく知られており,またよく使われる「重さ」は二酸化炭素排出量でしょう.しかし,当研究室ではそれに加え,資源の採掘活動の「重さ」にも注目しています.品位の低い鉱石の採掘,あるいはプリミティブな技術を用いた製錬,リサイクルを有効活用しない材料生産は,採掘活動に関する「重さ」を大きく増大させる可能性があります.その重さが増えすぎると,資源採取に対するインパクトが増加するだけでなく,生物多様性への影響,人間健康への影響,紛争といった諸問題の引き金となり得ます.

当研究室では,これらの「重さ」を減らすべく,材料科学と環境工学に関する知見を活かした自然科学的アプローチに立脚し,産業エコロジーや環境システム工学といったライフサイクル思考を援用しながら,「ハード(自然科学)とソフト(社会科学)の融合」という学際領域の発展と社会への実装を目的として,研究を進めています.

当研究室は立命館大学理工学部機械工学科に属しており,上述の社会科学的な研究は対象外のように思われるかもしれません.しかし,これらの「重さ」を正しく計測・評価することは,どのプロセスについて技術開発に注力すべきか,開発した技術がどの程度効果があったのかを正しく俯瞰することにつながります.ロジスティクスという言葉があり,これは経済において、原材料調達から生産・販売に至るまでの物流を合理化するための手段の事を意味しています.これは正に機械工学科の範疇です.そしてロジスティクスの各要素は密接に資源にリンクしています.私や私の共同研究者は,この考えに従い「資源ロジスティクス」という言葉を用いていますが,資源ロジスティクスは正に機械工学科の研究対象となるわけです.

より具体的には,当研究室では以下の図に示すように,ものづくり教育も含めた三位一体の教育研究活動を行っていきたいと思っています.個々の領域の詳細は以下に示しています.

Our laboratory defines the "resource paradox problem" as the unexpected increase in resource utilization accompanying various green innovations and conducts research to ameliorate this issue through the following two approaches:


Natural Science (Materials Science): With regard to this approach, our current research interests center on novel smelting processes utilizing microwave heating. Notably, when certain materials are heated and/or processed using microwaves, unconventional reaction pathways can be observed or incredibly rapid reactions occur, which we refer to as microwave metallurgy. One of our challenges is to apply this method to recycling efforts. For instance, we are working on recycling various valuable metals, such as cobalt, from end-of-life batteries, such as lithium-ion batteries.


Social Science (Industrial Ecology): Additionally, we are conducting research to address various energy and resource problems from a social science perspective utilizing methods such as Life Cycle Analysis and Material Flow Analysis. We are particularly interested in quantifying resource utilization from the perspective of "mining activity" using an index called Total Material Requirement (TMR) and constructing the world's highest quality and most extensive database. By utilizing this database, we are proposing a truly sustainable society that can achieve not only low carbon emissions, but also low resource consumption simultaneously. Furthermore, we conduct research on transportation optimization, future resource demand, and waste generation forecasting.

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​研究室配属を検討している学生さんへ

To students who are interested in our lab

エネルギー・資源循環工学研究室(山末研)に興味を持っていただきありがとうございます.我々が研究している内容は「研究内容の概略」でも説明していますが,ここではこの研究室で学べることをもう少し具体的に説明したいと思います.
さて,当研究室では,現代社会が抱えるエネルギー問題や資源問題を解決することを目的として研究を進めています.ここで重要なことは,世界中の多くの研究者が同じような理念を持って研究を進めていることです.では,当研究室に配属して学ぶことのアドバンテージは何でしょうか?
それは,機械工学(その中でも特に熱力学,移動現象論,材料科学等)に礎を置きながら,さらに「ライフサイクル思考」という概念を導入することで「真に環境に優しい材料やプロセスを提案できる人材になれる」という点です.
ライフサイクル思考とは何でしょうか?以下の図をご覧ください.
この図は同じ機能を有する2種類の製品について,その生涯(ライフサイクル)における二酸化炭素排出量を比較したものです(数値は適当).例えば,この両製品が自動車であった場合,消費というのはいわゆる走行段階,すなわち燃費に関係しており,ここだけ(赤い点線内)を見ると製品Aの方が優れていることになります.従来はこのような視点から多くの自動車メーカーや研究者が少しでも燃費の良い自動車を開発しようとしていました.しかし,ライフサイクルで眺めてみると少し話は異なってきます.自動車を生産するためには資源サイクル,原料製造,そして組立等の製品生産,そして自動車が生涯を終えた後には廃棄処分が必要です.そしてその各ステージで二酸化炭素が排出されます.そしてライフサイクル全体で眺めると,実は製品Bの方が優れた製品であることが分かります.しかも,製品Bの二酸化炭素排出量をさらに下げようとした場合,燃費よりまず「資源採掘」に関わる二酸化炭素排出量削減に注力した方が効率的であることが分かります(このような分析をライフサイクル分析=Life Cycle Analysis, LCAといいます).本研究室で学ぶことで,このようなライフサイクル思考に基づいた製品開発戦略を提案できる能力を養うことが可能となります.
このLCAは机上の議論ではありません.自動車業界でも2030年にはLCA規制なるものが導入されようとしていますし,つい先日の2021年3月には自動車工業会会長も定例会見でライフサイクル思考の重要性を述べています.LCAの概念はその他の素材産業,重工業,インフラ系の企業全てにおいてすでに導入されつつあるのです.機械工学科の学生さんに私の研究紹介をする際,ライフサイクル思考の話をすると「それって機械工学科と何の関係があるんですか?」と質問を受けることがあります.でも,実は機械工学科に限らず,全ての工学系研究者は本来ライフサイクル思考に基づいて注力すべき研究対象を見定めなければならないのです.
山末研究室では「資源」や「エネルギー」に着目しながら種々の製品やプロセスのライフサイクル全体にわたる「弱点」を自ら抽出できるように指導します.そして実際にその弱点を解決できるような材料やプロセスの開発を行います.もちろん皆さんの興味によっては,社会システムや政策提言といった内容に踏み込んだ研究をする場合もあります.このように社会を広く俯瞰しながらライフサイクル思考に基づいて戦略を立て,さらに自然科学的手法を駆使しながら実際に社会に貢献できる材料やプロセスを提案できる研究室は立命館大学機械工学科だけでなく,日本全体,あるいは世界全体を探しても非常に限られていますが,当研究室はそれを実現できる数少ない研究室の1つと自負しています.
是非私たちと一緒に学んでみませんか?

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About lab: 概要

卒業・修了生の進路
About Alumni

2021年度卒業生・修了生

大学院進学,トヨタ自動車,ダイハツ工業株式会社,日立製作所,ソフトバンク,関西化学機械製作,京都府,キャノンメディカルシステムズ,日本金属,防衛省,文部科学省,造幣局

2020年度卒業生・修了生

パナソニックマレーシア,電源開発株式会社,トヨタ自動車,スズキ株式会社,ダイハツ工業株式会社,日本商工会議所,名古屋市役所,株式会社キッツ

2019年度卒業生・修了生

ダイハツ工業株式会社,JR西日本,川崎重工業,豊田自動織機

2018年度卒業生・修了生

大学院進学,レイヤーズコンサルティング,株式会社イシダ,東近江市役所,株式会社オー・シー・エル

2017年度卒業生・修了生

大学院進学,トヨタ紡織株式会社

2016年度卒業生・修了生

全日本空輸(ANA), トヨタ車体株式会社

About lab: 現在募集中の職種
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